2020年に小学生でプログラミング必修化になり、
2021年、2022年と段階的に、中学校、高校でも導入が進んでいくそうです。
子ども向け無料プログラミング教室『CoderDojo熊本』の中で、
小学生〜高校生向けにプログラミングを教えていたりもしているので、
最近の教育事情はどうなっているんだろうと調べてみまして。
高校で使われているプログラミングの教科書を全部購入して比較(情報の科学)
という記事を発見したので読んでみて。
記事の中でも最も詳しいと紹介されていた、
日本文教出版『新・情報の科学』[情科310]を買って読んでみました。
ということで、内容をざっくりとご紹介してみたいと思います。
高校生向けの情報の科学の内容
『新・情報の科学』[情科310]は、
『ネットワーク編』と『問題解決編』に分かれていて、
内容はざっくりと以下になっています。
ネットワーク編
- 情報社会と情報の科学
- コンピュータの動作の仕組み(CPUなど)
- 情報のデジタル化(PCで文字、音、画像、色の表現)
- ネットワークの動作の仕組み(プロトコルなど)
- 情報セキュリティ(ウイルス、スパイウェアなど)
問題解決編
- 問題と目標の明確化
- 問題の整理と分析
- 基本的なアルゴリズムとプログラム
- いろいろなアルゴリズム(逐次探索、二分探索)
- モデル化とシミュレーション
- プログラミング(VBAとJavaScript 一部)
- リレーショナルデータベース
- グループで行う問題解決
などなど、内容盛りだくさん。
- クラウドコンピューティング
- スマートマシン(ドローン、ロボット)
- データ分析
- AR技術
- IoT
- ビッグデータ
- ウェアラブル端末
などの用語も紹介があり、
浅く広く、いろんな情報が盛り込まれていました。
記事作成者のツイッターによると、
この教科書は東京都では25%の学校で使われているそうです。
東京都の「情報の科学」の教科書の採択状況。バラけていますね。エンジニアの人に人気のある?日本文教出版の教科書も25%なのでかなり使われていますね。
実教出版 45.8%
日本文教出版 25.2%
東京書籍 15.9%
数研出版 7.5%
第一学習社 5.6%https://t.co/Oqq7BOgzCb pic.twitter.com/Nmp4NuEZy9— Yusuke Ando (@yando) July 30, 2018
高校生向けの情報の科学 教科書と現実をつなげる役割
僕が高校生の頃は、現代のようなインターネットもなく、
としきりに思っていた記憶があって、
現実の世界と、教科書の世界が分断されていた感覚があったのですが。
現代の『情報の科学』の教科書をさらっと見てみる限り、
親世代がもれなく持っているだろうスマートフォンなども題材に、
現実世界で実際に使われているものが教材になっているので、
現実世界と教科書はつながっているんだよ、というのが、
より臨場感をもって感じられるのでは、と思います。
高校生向けの情報の科学 実際に教える方は大変
一方で、
教科書の内容は広く浅く多岐に渡り、
パソコンで実際にプログラミングなりデータベース作成なりしないと、
なかなかイメージがつきづらい内容も多いのかなと感じます。
先日、
2024年までに全ての小中学校でパソコン/タブレットを普及というような記事がでて、
すぐに見れなくなったのですが、
他の先進国と比べると、日本のICT教育はまだまだ後進国なので、
いずれ全生徒にPC/タブレットが配布されてからが本番なのかな、とも思います。
先生のなり手が少なくなっているという情報もありますし、
今後は学校だけではなく、
民間も協力した形での教育が現実味を増してくるのかなぁと思ったりします。
高校生向けの情報の科学 なぜプログラムを学ぶのか
『新・情報の科学』[情科310]の中に、
「なぜプログラムを学ぶのか」
というコラムが掲載されていました。
要約すると、
コンピュータを扱うことが増えた分、トラブルに出会うことも増えていて、
毎回専門家に相談すると物事が進まなくなるので、
自分自身で問題を発見し解決できるようになればいいのでは、
というようなことが書かれていました。
実際に、
パソコン一つ使うにしろ、
アプリなりウイルス対策なりWifiなり、
覚えることは山のようにあるので、
プログラムを使わないにしても、
パソコン、情報に強くなるというのは、
これからますます必要になってくるよなぁと感じたのでした。
高校生向けの情報の科学 生涯学習としてもおすすめ
高校生向けの教科書ではありますが、
内容はとても現代的で現実的で、
むしろ親世代、現役世代も読んだ方がいいんじゃないかと。
人生100年時代と言われ、
生涯学習、リカレント教育といった言葉も見聞きするようになりましたし、
- リカレント教育・・社会人教育のこと
若い世代との対話のつかみとしても、
『情報リテラシー』はあった方がいいんじゃないかなと思います。
高校生向けの情報の科学 まとめ
僕が高校生だった約20年前と比べると、
より時代に即した内容に変わっているのかなと感じます。
もちろん『情報』の科目だけやっていればいいというわけではないのですが、
現代、これからの時代を生きる上で、時代に取り残されないように、
ある程度の『情報リテラシー』を保つ上での参考書として、
『新・情報の科学』[情科310]、おすすめです。
この記事へのコメントはありません。