久々に衝撃的な本でした。
『アフターデジタル』。
アフターデジタル オンオフの境界がなくなる
本の内容を要約すると、
これまではオフラインが主役で、
オンラインが脇役だったけれど、
オンライン常時接続の時代になると、その立場が逆転すると。
- オンライン・・インターネットに接続している状態 ネット販売など
- オフライン・・インターネットに繋がっていない状態 店頭販売など
『O2O』ならぬ、『OMO』というキーワードが紹介されていました。
OMO・・ Online Merges with Offline
Merges(マージ) with は混合とか同化という意味で、
オンライン/オフラインの境界もなくなっていくと。
物販の世界が最初だろうと思いますが、
オンライン化が進むにつれ、
オンラインが当たり前、オフラインや店頭販売が貴重になると。
アフターデジタル ただのインターフェース
日本企業が中国を視察し、
日本企業からの同じような質問に、
中国企業からの同じような回答がいくつか紹介されていて。
要約すると、
『OMO』の時代では、
- モバイルも、
- パソコンも、
- コンビニも、
ただのユーザーインターフェース(お客さんとの接点でしかない)
というような発言でした。
中国の小売に関連する記事があったので紹介しておきます。
今、小売業のエコシステムは急激なスピードで変化しています。中国の消費者のうち実に8.5億人がネットにアクセスできるようになり、そしてそのほとんどがモバイルデバイスを利用しています。これは都市部のみならず、中小都市でも同様です。
消費者のデジタルへの期待値は年々上がっていて、より早く、簡単に、家にいながらにして商品を受け取りたいというニーズが高まっています。だからこそ、「メイトゥアン」(美団外売)や「Elema」(餓了麼/ウーラマ)といった小売店舗のO2O化を実現するデリバリープラットフォームが発達しているわけです。
同時に、オンラインで提供しているサービスをインストア環境でも享受したいという消費者の声も根強く、リアル店舗のデジタル化も加速しています。
たとえば、スーパーマーケットでも重要な技術革新が起こっています。支払いが簡単にできる顔認証やQRコードの導入に加えて、超高速での宅配が実現しつつあります。たとえば、アリババが展開するスーパーマーケット「フーマー・フレッシュ」(盒馬鮮生)の場合、3km圏内なら購入から30分で配達してくれます。
参考:なぜアリババは地方の中小店舗をフランチャイズ化するのか ニューリテールがマーケティングを変える理由
お店に行かなくても
數十分、数時間で宅配が可能な時代になれば、
今みたいな交通渋滞も随分緩和されるんじゃないかなぁと思ったりします。
アフターデジタル デジタルで徳を積む
中国は、人や通貨が信用できないということで、
データを提供すると点数が上がってメリットがもらえるシステム
なるものを開発しました。
『ジーマ・クレジット』と呼ぶ個人の信頼残高があって、
お医者さんにしろ、タクシーの運転手にしろ、
信頼度が高まるにつれ、
給料が上がったりとメリットがあるため、
しっかりサービスをするようになったと。
まさに「デジタルで徳を積む」というような世界観です。
日本は、中国に比べると比較的安心、安全だとは思いますがその一方で、
性犯罪者など危ない人を避けようと、
近所付きあいが薄くなってきているので、
という指標が必要になってきているのかも、と思ったのでした。
近年、同じ価値観のコミュニティが増えてきているのも同じ感覚だろうとは思います。
アフターデジタル 2025年の崖
本の中で言及されていたのが、
経済産業省が発表している『2025年の崖』という資料。
DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
こちらを要約すると、
- レガシー(古い)システムを変えないと最大12兆円損するよ
- DX実現すると2030年実質GDP130兆円押し上げるよ
- だからDX化に舵をきったほうがいいよ
という内容で。
オンライン化はこれまでも徐々に進んでいましたが、
- 少子高齢化による人材不足
がどんどん顕著になり、働き手がいないという状態が増えてくるにつれ、
オンライン化・自動化にせざるを得ない、という機運が高まり、
どんどん大きく転換しそうな気配がしています。
個人的には2020年が一つの境目になるんだろうと思っています。
アフターデジタル ソサエティ5.0
『アフターデジタル』の世界は、
内閣府が提言している、『ソサエティ5.0』に通じるものがあります。
<
blockquote>
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。
Society 5.0 | 内閣府 https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html
近年の学校教育の変化も、『ソサエティ5.0』をベースに実行されているようですし、
結果的に『DX(デジタルトランスフォーメーション』や『アフターデジタル』と繋がってくるんだろうと思います。
関連記事
アフターデジタル を読んでみて
馬車中心の時代から自動車中心の時代に変わったような転換が迫ってきているので、
そのあたりの世界観も把握しながら、
未来の子供達のために何ができるか、というのを考えながら、
このブログなりYoutubeなりを発信していかないとな、と思っております。
この記事へのコメントはありません。