最近よく目にするようになった『メディアアート』を知るうちに、
現実世界を映像に写すべく『数学と物理』がたくさん使われている事を知って。
その中でも水や空気などを扱う『流体力学(りゅうたいりきがく)』に興味が湧いてきて。
少しずつまとめてみることにしました。
流体力学にも必須の運動方程式
『流体力学(りゅうたいりきがく)』は『力学』の仲間なので、
『物理法則』の影響を受けます。
なかでも重要なのが『運動方程式』。
式はこう。(高校物理版です。)
$$ F = ma $$
- F・・力(単位はN(ニュートン))
- m・・質量(単位はkg)
- a・・加速度(単位は$ m/s^2 $)
-
1N・・1kgの質量に$ m/s^2 $の加速度を生じさせる力
『運動方程式』や『加速度』の関連記事
流体力学をわかりやすく 圧力と台風
自然界で、目には見えないけれどしっかり存在している力のひとつが『圧力』。
例えば台風などの『大気圧』や、
すっかりおなじみになった『圧力鍋』など、
『圧力』は身近なところに存在しています。
『圧力』は英語で『pressure(プレッシャー)』。
『圧力』の式はこう。
$$ p = \frac{F}{A} $$
- p・・圧力(英語でpressure) 単位はPa(パスカル)
- F・・力(英語でforce) 単位はN(ニュートン))
- A・・面積(英語でarea) 単位は$ m^2 $)
1パスカル[Pa]はどれくらいの単位かというと、
1平方メートルの板に100gのりんごを置いたくらいの『力』だそうです。
ということで調べてみると、
『パスカル』を100倍したのが『ヘクトパスカル』だそうです。
- 1(hPa)(ヘクトパスカル)・・100[Pa]
- 1(kPa)(キロパスカル)・・1,000[Pa]
- 1(Mpa)(メガパスカル)・・1,000,000[Pa]
一般的な気圧が『1013hPa(ヘクトパスカル)』で、
強めの台風だと中心気圧が『950hPa(ヘクトパスカル)』になったりと、
『気圧』が変化しているんですね。
他にもいくつか圧力の単位があるそうです。
- 1気圧 = 1013hPa = 1atm = 760mmHg
-
atm・・アトム。1気圧
- mmHg・・水銀柱㎜
また、 『圧力』に面積をかけることで『全圧力』になります。
$$ P = p \times A $$
- P・・大文字Pで全圧力 (単位はN(ニュートン))
流体力学をわかりやすく 圧力と高低差の関係
例えばスカイダイビングをしたり、
例えばスキューバダイビングをしたりして、
地上からうーんと高いところにいったり、
地上からうーんと低いところ(水中)にいったりすると、
『地上との圧力差』が生まれてきます。
『圧力差』の計算方法はこう。
$$\Delta p = pgh$$
- $$\Delta p$$・・差分の圧力(単位はPa(パスカル))
- p・・圧力
- g・・重力加速度(英語でgravity)
- h・・地上からの高低差(英語でheight) (単位はメートル)
流体力学をわかりやすく 全圧力について
たっぷりの水が使われていて、
たっぷりと『圧力』がかかっていそうなものといえば。
そう。
『水族館』。
試しに沖縄の『美ら海水族館』で調べてみると、
- 深さ10メートル
- 長さ35メートル
- 幅27メートル
- 水量7500$$m^3$$ = 7500トン(t)
という巨大水槽だそうで。
深さがあるので、
水族館のガラスにかかっている『全圧力』の式はこうなります。
$$P = pghA$$
- P・・全圧力(単位はN(ニュートン))
- p・・密度
- g・・重力加速度
- h・・重心までの深さ
- A・・ガラスの面積
- 重心・・壁のど真ん中
水槽が大きくなるほど、
深さ(h)と面積(A)が大きくなるので、『全圧力』も大きくなるそうです。
具体的にどれくらいの力かというと、すでに計算されていた方がいました。
資料によると,深さ10mで幅35mの様ですから(奥行きは関係なし),平均水圧0.05メガパスカル×10m×35m=17.5メガニュートン≒1750トン の力がかかっていることになります。
「パスカル」という言葉につられて,パスカル・ニュートンで計算しちゃったけど,「1気圧=1キロ/1平方センチ」の単位から攻めれば,
平均0.5気圧×1000cm×3500cm=1750000キロ=1750トン となり,こちらのほうがイメージつかみやすいでしょう。
流体力学をわかりやすく 密度について
例えばとんこつラーメンを食べようとしたら、
スープの上に油が浮かんでいたりします。
なぜ油が浮くのかというと、『密度』が少ないから。
『人口密度』・・1平方キロメートルあたりの人口の数
こちらのデータで例えば東京と熊本を比べてみると、
同じ面積でもかなり人口が違う事がわかります。
- 1位・・東京都 豊島区 23,072.94
- 231位・・熊本県熊本市 1,894.74
東京の方が人がつまっていて、熊本の方はゆったりしていると。
水と油も同じ考えで、
同じ範囲でも、つまってる度合いが違うのかなと。
『密度』の式はこうなります。
$$ \rho = \frac{m}{V} $$
- $$\rho $$・・密度($$ kg/m^3 $$)
- m・・質量(mg)
- V・・体積(英語でvolume) 単位は$m^3$)
-
体積$$1m^3$$ の場合、水の質量は1000kg・・1トンになります。
水、油、空気それぞれ『質量』が違うので『密度』も変わってきます。
- 水の密度・・1000$$kg/m^3$$
- 油の密度・・890$$kg/m^3$$
- 鉄の密度・・7874$$kg/m^3$$
- アルミの密度・・2700$$kg/m^3$$
- 空気の密度・・1.2$$kg/m^3$$
また、『水』をベースにした『比重(s)』を求めることもあるようです。
- 比重・・英語で specific
$$s = \frac{\rho (流体の密度)}{\rho (水の密度)}$$
比重が1より大きければ水に沈んで、1より小さかったら水に浮かぶことになります。
流体力学をわかりやすく 浮力について
子どもと一緒にお風呂に入って、
風呂桶を浮かべたり、
ひっくり返してお湯に押し込んだりして遊ぶんですが、
押した分だけ抵抗を感じるのは『浮力(ふりょく)』があるから。
『浮力』は英語で『buoyancy(ボインシー)』。
式は以下。
$$ B = \rho gV $$
- B・・浮力(Buoyancy)
- $$\rho$$・・密度
- g・・重力加速度
- V・・物体が押しのけた流体の体積
流体力学 圧力・密度・浮力をまとめてみて
『メディアアート』をきっかけに、
これまで触れることのなかった『流体力学』に触れることになり、
思っていた以上に身近でおもしろい分野なんだなと改めて感じる事ができました。
子どもと一緒にお風呂に入りながら、
『流体力学』の事をさらっと考えるのも楽しいかもしれませんね。
PS.
『流体力学』に興味があるならこちらの本がオススメです。
マンガでわかるシリーズは結構読みましたが、
簡単すぎず、難しすぎずで、傑作なバランス感じゃないかなと思います。
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