子どもが生まれた事をきっかけに、
子どものためにできることはないかと始めた『CoderDojo熊本』。
無料プログラミング道場『CoderDojo熊本』を運営して1年近く経ち、
たくさんの子ども達やその親御さん、メンターや関係者の方々と接するうちに、
『プログラミング教育』とはなにか。
そして、
『理想の教育』とはなにか。
という事を考える機会が増えてきました。
『プログラミング』はあくまでツール
子どもに限らず大人の方からも同じような話を聞くのですが、
となったときに、
という声が本当に多くて。
マニュアルを渡して、「この通りに作ってね」といえばもちろんつくれるんだけど、
マニュアル通りにつくるだけなら『AI』でいいじゃんとなってしまいます。
大事なのは『プログラミングを覚える』ことではなくて、
『プログラミング』はあくまでツールなので、
『何をつくるか』の方が大事だろうなとよく思うようになってきました。
ブロックを組み立てる事で『プログラミング』ができる『スクラッチ』の作者も、
大事なのは『創造的思考』だと言っていたりします。
参考記事
『プログラミング』より大事な事~より人間らしく
『AI』がどんどん発展していくという時代の中で、
『何をつくるか』ということを考えると、
『AI』にはつくれないもの(つくるにはまだまだ時間がかかるもの)
である必要があるなと思います。
『AI』になくて『人間らしさ』といえばざっとこんな事があげられるかと思います。
- 感情(情緒)
- 五感
- 歴史(時代性)
- 哲学(どう考えるか)
- 宗教
- 国民性
- センス
- 大局観
- 美意識
- 人と人のつながり
- 察する力
- 異なるジャンルの融合 (アート×サイエンスなど)
こういった『人間らしさ』を身につけるために必要なのが、
欧米では『リベラルアーツ』と呼ばれ、
日本でも『教養教育』と呼ばれていたりします。
現代社会の問題はさまざまな要因が絡まり合っています。
例えば原発の問題を対処するにも理科系と文系の両方の知識が必要です。
高齢化の問題に向き合うにも、心理、経済、社会福祉などのさまざまな分野の知識が必要になるでしょう。
専門教育だけを受けてきた人が「役に立つ」とは限らないのです。
むしろ幅広い「教養」を持っている人が必要とされているのが現代なのです。
どの分野で力をふるうにしても専門知識などのノウハウは不可欠です。
しかし、それだけでは不十分で、物事は人間としての魅力で決まっていきます。
さらに、深い教養がないと相手も全幅の信頼をおいてくれないし、認めてもくれないのです。
つまり、いつの時代、どんな地域においても
人間の中身を高めることが決定的に重要だということです。
日本人が品格を失い続ける2つの根本理由 “グローバリズムと活字離れ”の弊害
とはいえ、
となってしまうのは当然だと思います。
はっきりとした答えのない時代だからこそ、まずは、
『好きなことをとことんやってみる』
という事につきるんじゃないかなと思います。
『プログラミング教育』より大事な事~好きこそものの上手なれ
『好きこそものの上手なれ』という格言は本当にいい表現だなと思っていて、
科学的にも、イヤイヤやるよりも、
好きであること、興味があることを取り組んだ方が効果が高いと言われています。
そのためには
- いろんなものに触れて
- いろんな世界、いろんな選択肢があることを知って
- 気になったものをちょっとずつやってみる
という流れでちょっとずつやってみて、
ちょっとでも面白さが見いだせたら、どんどん没頭できるんじゃないかと思います。
『子どもの教育』という視点でいうと、
- やる気をうながす環境づくり
- とにかく褒める
の2点をしっかりやれば、後は勝手に子どもたちが成長していくといわれているようです。
「子どもたちの好奇心を刺激して、独立心を養い、各々が能動的に活動に取り組むことで脳の発達が促進されると言われています。自分で選び、自分たちで環境を作る。さらに社会とつながることが大切ですね」
「子どもには自ら育つ能力が備わっている」ジェフ・ベゾスや藤井聡太も学んだモンテッソーリ教育の可能性
・貧困層の子供たちにパソコンを用意して
・とにかくほめてくれるおばちゃんを用意したら
・その結果、高所得層の通う私立小学校の生徒たちと、同じ学力にまでアップした
「GOOGLEと、褒めてくれる人がいれば、子どもは誰でも勉強ができるようになる」 スガタ・ミトラ
そういう意味でいうと、『プログラミング教育』 をやるとしても、
と思ったり。
2020年から小学校で義務化される『プログラミング教育』は、果たしてどちらに転ぶかなぁと期待半分、心配半分なところです。
『プログラミング教育』より大事な事 まとめ
これからの令和の時代は『テクノロジー』がどんどん進化することは間違いなく、
『テクノロジー』を使いこなせばなおさら、
『できること』がどんどん増えていく事にはなっていきます。
『テクノロジー』にも『プログラミング』にも、それら自体には善も悪もなく、
それを使う人次第というところなので、
せっかくなら楽しんで『プログラミング』を好きになって、
うまく『テクノロジー』を乗りこなせる子ども達が増えてくれたらいいなと思いますし、
しっかりとそのサポート・環境づくりをしていけたらいいなと思います。
『プログラミング教育』より大事な事 おすすめ本
- 名著講義
お茶の水女子大学名誉教授 『藤原正彦』先生による名著講義の模様がたっぷりと書かれています。
日本人としての教養、もっと高めていきたいもんです。
- 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~
欧米の大学では、理系文系という分け方ではなく、『アート』か『サイエンス』で分かれるそうです。
『アート』と『サイエンス』。
どちらも日本人が思う感覚とはちょっと違って、
人がつくったものか、神がつくったものか、という分け方をするそうです。
- アート・・人がつくったもの・・文学、歴史、哲学、美術、建築、音楽
- サイエンス・・神がつくったもの・・自然科学(自然)と社会科学(人間)。心理学・経済学も含む。
それらのベースになるのが『教養・リベラルアーツ(自由になるための学問)』になります。
『学び・教育』関係ではこんな記事も読まれています。
1. 『ニュータイプの時代』〜リベラルアーツとテクノロジーの融合〜2. 【教育とICT】 未来への学びに向けて今何をすべきか 2019 に参加してきました。
3. 『プログラミング教育』より大事な事を考えてみる~AI時代を見据えて~
4. 『これからの教育について考えてみる』というお題で内容を考えてみた
5. 小学生プログラミング決勝の舞台を視聴して思うこと~これが創造的思考力なんだろうなぁ~
6. 『ライフロングキンダーガーデン』を読んで創造的思考力に思いを巡らせてみた
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