物理学

【粘性力】【粘性応力】【粘度】とは わかりやすくまとめてみた【流体力学】

サラサラな水があれば、ドロドロのスムージーもあって。

サラサラなアイスコーヒーもあれば、
ねっとりしたハニーラテもあって。

『液体』や『気体』を扱う『流体力学』では、

サラサラ・ドロドロ具合を表す『粘性(ねんせい)』という考え方があります。

  • 粘性(ねんせい)・・英語でviscosity(ヴィスコスティ)
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粘性と粘性力について

  • 粘性が高い・・スムージー・はちみつ・・ドロドロ
  • 粘性が低い・・水・・サラサラ

『粘性』があると、
スムーズな流れをさまたげようとするする
『粘性力(ねんせいりょく)』が働きます。

『空気』にもほんのちょっとだけ『粘性』があるそうで、

現実世界のあらゆる『液体・気体』はもれなく、
『粘性』と『粘性力』があることになります。

画像参照:液体の粘度と目安

また、
『粘性』は温度とも関係があるようで、

温度が上がるほど『粘度』が低くなり、サラサラになります。

アオキ
確かに、料理をするときに『サラダ油』を温めるとサラサラに変わりますな。

理想流体と粘性流体とは

現実世界の『液体・気体』にはもれなく『粘性』があるのですが、

どれくらい『粘性』があるかというのを切り離して考えられるようにするために、

『流体力学』では『粘性』がない状態のことも考えるそうです。

  • 理想流体(りそうりゅうたい)・・粘り気がなくて一様に流れる(現実にはありえない。)
  • 粘性流体(ねんせいりゅうたい)・・実在するリアルな流体

まずは『理想流体』として流れを考えて、
その後に『粘性』を考えたりします。

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粘性と速度勾配とは

世の中の全ての『液体・気体』には
『粘性』があり、『粘性力』が働いています。

例えば壁や土手に挟まれた『川』があるとして、
壁や土手に近い方は流れが遅く、
川の中心は流れが速くなっているのですが、

それは『粘性力』が働いていて、
壁に近い方がより強く、
『流れ』のブレーキをかけている事になります。

図で表すとこんな感じでしょうか。

壁に近いほど『粘性力』が強くて、
中心に近いほど『粘性力』が弱くなると。

また、
流れている『流体』の速度vを、
壁からの距離yで『微分』した dv/dy を、
『速度勾配(そくどこうばい)』と呼びます。

dyは同じだけどdvはだいぶ長さが違っています。

アオキ
カベに近い方が『速度勾配』が大きい・・『粘性力』も大きいってことかな。

というのが感覚的にわかればまずはいいのかなと思います。

『微分』についての参考記事

せん断力とは

『粘性』があるために、

例えばお風呂の上に板を置いてずらすと、
板に接している水だけではなくて、

その下の水も、
その下の水も、
その下の水も、

徐々にひっぱられるように動きます。

これを『せん断力(せんだんりょく)』といいます。

  • せん断力(せんだんりょく)・・ズレを生じさせる力

※『クエット流れ』という用語もあります。

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粘性応力とは

単位面積$ (1m^2) $あたりの粘性力の事を、

『粘性応力(ねんせいおうりょく)』といいます。

$$\tau = \mu \frac{dv}{dy}$$

$$\tau$$タウ・・粘性応力 (viscous stress (ヴィスコスストレス))
$$\mu$$ミュー・・粘度(Viscosity(ヴィスコスティ))

圧力と全圧力の関係に似ているようです。

(単位もN(ニュートン)とPa(パスカル)で同じ)

粘性
圧力(N)粘性力(N)
全圧力(Pa)粘性応力(Pa)

『圧力』についての参考記事

粘度と動粘度とは

『粘度(ねんど)』は、
『液体・気体』のドロドロ具合表す数字で、
『粘度係数(ねんどけいすう)』
とも呼ばれています。

先ほどの式を変形するとこうなって、『粘度』の式が出てきます。

$$\nu = \frac{\mu}{dv/dy}$$

  • $$\nu$$(ニュー)・・単位はPa・s(パスカル秒)

画像参照:液体の粘度と目安

アオキ
『粘度』は全ての『流体・気体』で関わってくるんですな。

また、

『動粘度(どうねんど)』という数値もあります。

  • 『動粘度(どうねんど)』・・粘度を密度で割ったもの。

  • $$\nu$$(ニュー)・・動粘度(単位は$m^2/s$

  • $$\mu$$(ミュー)・・粘度
  • $$\rho$$(ロー)・・密度
アオキ
ニャーニャーニャーじゃないよ、ニューミューローだだよ。

ちょっと長くなってきたので、
『動粘度(どうねんど)』は別の記事で扱いたいと思います。

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粘性力・粘性応力・粘度をわかりやすくまとめてみて

サラサラの水にしろ、
ドロドロのスムージーにしろ、
空気にしろ、

世の中の全ての『流体・気体』にはもれなく

『粘性』があることがわかりました。

『粘性』があるおかげで、
渦ができたり独特の動き方になるんでしょうね。

『流体力学』を知るにつれ、

現実世界のいろんなものに、
『粘性』があるんだよなぁと思うようになり、

物の見え方が少しだけ変わってきているかもしれませんね。

アオキ
『流体力学』は現実世界を表現するためには『必須』ですな・・もっと覚えていこ〜

『流体力学』関係ではこんな記事も読まれています。

1. 【流体力学】とは 圧力・密度・浮力をまとめてみた【初心者向け】

2. 【流体力学】 物体と流体の違いをまとめてみた【流量・連続の式・ベルヌーイなど】

3. 【粘性力】【粘性応力】【粘度】とは わかりやすくまとめてみた【流体力学】

4. 【ベクトル場】と【速度ベクトル】とは わかりやすく【ドラクエのすべる床】

アオキ
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