子供向けプログラミング寺子屋『CoderDojo熊本』に参加したニンジャからいただいたご質問。
大人から子どもまでみんなが大好き『マリオ』。
そんな『マリオ』を『スクラッチ』でつくれないかといろいろググり、
いい参考ゲームがあったので簡単にまとめておくことにしました。
スクラッチでマリオなゲームを探してみる
スクラッチのサイトで「見る」をクリックすると、世界中のあらゆる作品を見渡すことができます。
『ゲーム』をクリックして、どれにしようか天の神様の言う通り、と探したら、たまたまこの『ゲーム』を見つけました。
リンク
マリオです、どうみても。
正真正銘、マリオのパクリです、いや、模倣であり真似です、リスペクトでオマージュです、そして参考にしまくってます。
試しにmarioで調べたら、個性豊かなマリオ達がたくさんみつかります。
と思いつつも、せっかくなので作品の裏側を見てみようと思います。
※著作権についてご指摘いただきましたので記事に追記しました。
スクラッチでマリオなゲームの裏側を見てみる
画面右上の『中を見る』をクリックすると、裏側があっさりとみれちゃいます。
ニンジャの質問にあった『左ボタンを押したら左を向く』、というのも見つけました。
90度に向けて右向き、反対側に向けるなら-90度ですね。
参考記事
しれっと角度やマイナスという概念もでてきて、簡単な算数の要素も入ってきてますね。
マリオが歩いているように見える動作も、パラパラ漫画の要領で幾つかの画像を用意して、
左か右のキーを押したら『次のコスチュームにする』ということで、パラパラするように実現しています。
『もし〜でなければ〜』というブロックは、プログラムでいうところの if 〜 else 文にあたり、
『定義[Walk]』というのは、プログラムでいうところの『ユーザー関数(ある動作をまとめておく)』だろうと思います。
ほかにも、
- コインに触れたらコインの枚数が増える方法とか(当たり判定)
- よくよく見ればマリオのX軸動いてないとか、
- 背景が2つあるけどどう設定しているかとか、
- クリボーどのタイミングで出てくんねんとか、
いろんな発見ができて、意外におもしろいです。
- コインに触れたらコインの枚数が増える
- 背景たっぷり準備されている
-
クリボーはレベルによって出てくる数がずいぶん違う
スクラッチでマリオなゲームの著作権
この記事を書いた後に、
著作権についてTwitterにて指摘をいただきました。
アメリカにはフェアユースがありますが、日本にはありません。 https://t.co/f5r8c0g09i また、Scratchのリミックスは人の著作物を勝手に使ってもよいという意味でもありません。 https://t.co/yJ34jcUJST https://t.co/lUekcVuiMx
— アベ先生 (CV: 阿部和広) (@abee2) 2018年9月8日
アメリカには『フェアユース規定』というものがあり、『フェアユース』を調べてみました。
「批評、解説、ニュース報道、教授(教室における使用のために複数のコピーを作成する行為を含む)、研究または調査等を目的とする著作権のある著作物のフェア・ユース(コピーまたはレコードへの複製その他106条に定める手段による使用を含む)は、著作権の侵害とならない」と定めており
Business lawyers
研究・調査・教育などの目的としてなら著作権の侵害とならないと。
そして日本では『フェアユース』の法律はないと。
日本政府には、2020年プログラミング教育義務化はいいとしても、このあたりの法律の整備もぜひお願いしたいものですね。
模倣から作品がつくられるということ
アメリカには『フェアユース』という文化があり、
『模倣(もほう)』に対して寛容というか、
スキルアップするためには『模倣』がかかせないというスタンスのようです。
- 模倣・・真似をすること。
iPhoneを世に生み出したスティーブジョブスはこう言ったそうです。
ピカソは「優れた芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む」と言った。だから僕たちは、偉大なアイデアを盗むことに関して、恥じることはなかった。
参考リンク
この記事によると、
ピカソも、エジソンも、ジョブズも、コップラも、
様々な偉人の真似をし、盗み、創造性を高めていったようです。
もちろん本当に盗むのは犯罪行為なのでNGですが、
様々な作品を吸収し、混ぜ合わせ、オリジナルのアイデアを組み込む事で、
画期的な商品が世に産まれでてきたのだと。
また、ジブリの宮崎駿監督が、
20年間真似をし続けたという記事があがっていました。
いいものを真似て自分のものとする、という点ではまったくもっていい事だと思っています。
20年間、自分を捨ててお手本を真似し続けた宮崎駿。「型」が無い人に「型破り」なことは絶対にできない。
スクラッチで模倣するということ
第1回『CoderDojo熊本』に来ていた親御さんから、
なんてお悩みを伺ったのですが、その子はなんと、まだ6歳。
今はとにかくどんどん模倣して、どんどん真似て、いいところをどんどん吸収すればいいと思うんです。
自分の中にネタが溜まってきたら、ちょっとずつ組み合わせて変えていけば。
アイデアをひねり出す方法として有名な『オズボーンのチェックリスト』も、既存のものを活用してアイデアを出す方法ですし。
参考リンク
そういう意味で、子供向けプログラミング『スクラッチ』は、参考になる作品がたくさん。
スクラッチのコミュニティガイドラインにもこう記されています。
共有すること。
Scratchで見つけたプロジェクトやアイディア、画像などすべてのものは、自由にリミックスできます。同様に、あなたがシェアしたものも、誰でも自由に使うことができます。リミックスするときは、必ずクレジット(元の作者名)を「作品への貢献」として記載してください。
また、共有することを前提に、あらかじめ用意してあるブロックを組み合わせて作るので翻訳の手間もなく、
世界中のあらゆる作品の裏側を、これでもかというくらいに全部見れちゃいます。
自由に真似て、自由に取り入れて、よりよいゲームや作品が増え続けるという、とんでもない仕組みです。
スクラッチでマリオなゲームを模倣してみて
『フェアユース』の考え方で、
『スクラッチ』にはたくさんのゲームが転がっていて、
その作り方までもしっかり見ることができるようになっています。
作りたいゲームの作り方、計算の仕方、考え方を、
一部分でも切り取って模倣していくことで、
次第に自分の知識が深まっていくでしょうし、
ひいては現実世界でも応用できるようなスキルが身についてくるのかなと思います。
どんどん模倣して、いい作品をつくっていきたいもんですね。
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