2020/6/5追記 ラジアンに関する動画を追加しました。
プログラミングを使って、
デザインをしたりアートを作ったりすることを、
『クリエイティブコーディング』というそうで、
子ども向けプログラミング道場『CoderDojo熊本』でも取り入れたいなと思っていまして。
今回のお題は『回転』。
絵だったり図形だったりを『回転』させたり、
相手の方向に向けたいなぁと思ったりして。
90度動かしたり、180度動かしたりしてはいたものの、
よくよく調査を進めていくと、角度を表現するには2つの方法があるそうです。
- 度数法・・ 60度とか90度とか一般的な方法
- 弧度法・・円周の長さをラジアンという単位で角度として扱う方法
そして、プログラミングでは『ラジアン』が主に使われるそうで。
・・・
・・・
・・・ラジアン?
というわけで、いろいろググってまとめてみることにしました。
ラジアンとは わかりやすく・・そもそもなぜに360度?
角度がぐるっと一周回ったら360度というのは、
小学生の頃から何度も教わってきたんですが、
と調べてみると、古代メソポタミア時代までさかのぼるそうで。
はっきりとしたことは分かっていませんが、メソポタミアの人達が勝手に決めたそうです。
当時の計測方法では1年が360日くらい、ということが分かっていて、ちょうど色んな数字で割りやすい数字として、360を一周にすると決められたと言います。つまり、そのときメソポタミアの誰かが、
「やっぱ362°にしようぜ。」
と言ってたら、一回転は362°になっていたのかもしれません。
思えば、
- 1年は365日。太陽の周りを地球が一周する期間。
- 角度の一周は360。
・・
・・
・・ん・・?
と思ったり。
そこで登場するのが、半径を意味するラテン語『radius』に由来する『ラジアン』です。
ラジアンとは わかりやすく ぴったり一周させたくて
『ラジアン』は、『円の周りの長さ』を重要視しています。
半径が1メートルの円があったとして、
円の周りの長さが1メートルの時の角度を決めちゃおうとなって、
『1ラジアン』と呼ぶことになりました。
- 1rad・・・1ラジアン。
- 円の周りの長さ・・円弧(えんこ)と呼びます。
円の周り(円周)の長さは、
- 円周の長さ = (半径+半径) × 円周率
- 円周の長さ$$ = 2 \pi r $$
ということになっているので、
例えば半径が1メートル、直径2メートルの円周の長さは、
円周の長さ = $$ 2 \pi $$
となります。
(本当は $$ 2rad \pi $$ なのですが、radはカットするようです。)
円周の長さをそのまま角度として扱うのが『ラジアン』なので、
- 360度 = $$ 2 \pi $$ <- これが角度
- 180度 = $$ \pi $$ <- これが角度
- 90度 = $$ \frac{1}{2} \pi $$ <- これが角度
ということになります。
『プログラム』でぴったり『回転』させようと思ったら、この法則を使うというわけですね。
ラジアンをわかりやすく・・度数法をラジアンに変換
実はこの『ラジアン(弧度法)』は、国際単位系の角度の単位になっており、
世界中で一般的な考え方だったりします。
一方で、
という意見も多数あり、確かに、
半径なら180度、直角なら90度というのもわかりやすいので、
度数法を『ラジアン』に変換して使う。
という方法が考え出されました。
度数法を『ラジアン』に変換して使うための計算式はこうなります。
ラジアン$$ = 角度 \times \pi \div 180$$
例えば90度なら、
ラジアン$$ = 90 \times \pi \div 180$$
$$ = \frac{1}{2} \pi$$
になって、
例えば180度なら、
ラジアン$$ = 180 \times \pi \div 180$$
$ = \pi$
になります。
『プログラム』で使う場合には、
度数法→『ラジアン』に変換する場合もあれば、
専用の関数が用意されている『プログラム言語』もあります。
『JavaScript』なら、
最初に角度を指定して、
Math.PI をかけて180度で割ってとしたり、
var $angle = 30; var $radian = Math.PI * $angle / 180;
『PHP』なら deg2rad関数があり、
『Python』ならmath.degrees関数があったりします。
人にとってわかりやすい角度での指定を、
より正確な値で使うために、『ラジアン』に変換するということですね。
ラジアンとは わかりやすく 度数法とラジアンの変換表
度数と『ラジアン』の主要な角度の変換表をつくってみました。
よく使うのは、
- 45度
- 90度
- 180度
- 360度
の4つかなと思います。
度数(deg) | ラジアン(rad, 弧度) |
---|---|
0 | 0 |
30 | $$\frac{\pi}{6}$$ |
45 | $$\frac{\pi}{4}$$ |
60 | $$\frac{\pi}{3}$$ |
90 | $$\frac{\pi}{2}$$ |
120 | $$\frac{2}{3}\pi $$ |
135 | $$\frac{3}{4} \pi$$ |
150 | $$\frac{5}{6} \pi$$ |
180 | $$\pi $$ |
360 | $$ 2\pi $$ |
ラジアンとは わかりやすく 角速度や角周波数
『ラジアン』は、円の周りの長さを表していて、
- 360度 = $$ 2 \pi $$ <- これが角度
という事になっています。
『円周上を動く(円の周りを動く)』という考え方は、
『プログラム』だけに限らず、実は、
- 波
- 電気
など、いろんなところで使われています。
『円周上で動く』速度や周波数は特別に、
『角(かく)』をつけて表します。
- 角速度・・円周上で動く速度
- 角加速度・・円周上で動く加速度
- 角振動数・・円周上で考える振動数
- 角周波数・・円周上で考える周波数
などなど。
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例えば『波』の場合は、
『円周上を何回回ったか』
というのが大事になってくるので、
『角度』で考えるより、『ラジアン』で考えた方がわかりやすくなってきます。
- 円を1周・・$$ 1 \times 2 \pi = 2\pi $$
- 円を2周・・$$ 2 \times 2 \pi= 4 \pi $$
- 円を3周・・$$ 3 \times 2 \pi= 6 \pi $$
- 円を4周・・$$ 4 \times 2 \pi= 8 \pi $$
- 円を40周・・$$ 40 \times 2 \pi= 80 \pi $$
と聞かれても、なかなかとっさには返せないですが、
『ラジアン』の場合は、
$$ 2 \pi $$を40周なので $$ 80 \pi $$ですな。
っというのがさくっと計算できるようになります。
ラジアンをわかりやすくまとめてみて
キャラクターなり図形なりを動かそうと思うと、
『傾き』だったり『回転』だったりがどうしても必要になってきます。
『度数』で設定することももちろんできるのですが、
より厳密に、ぴったり合わせるためのツールが『ラジアン』かなと思います。
また、『波』や『電気』の分野となると、
1周ではなく何十周も、何百周もすることになるので、
『ラジアン』で表現した方がわかりやすいということにもなりますね。
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