『3Dプログラミング』で『回転』をさせたいなとその方法を探るうちに、
よく見かけるようになった、『虚数(きょすう)』と『複素数(ふくそすう)』。
ということで、『虚数』と『複素数』について、まるっとまとめてみることにしました。
虚数とは わかりやすく 由来と目的
そもそも『虚数(きょすう)』という名前がとっつきにくかったので、
英語だとどう書いてあるか調べてみると、
『imaginary number(イマジナリーナンバー)(想像上の数)』という意味だそうです。
実際には存在しない数字をなぜにつくったのかというと、
- その方が計算がしやすくなる
- その方が回転しやすくなる
- その方が周期性のある(繰り返しのある)計算が楽になる
といった目的があったそうで、
- 波
- 音
- 電磁波
- 交流電流
- 3Dプログラミング
などの分野でよく使われているようで。
歴史的には、
- 1500年代に『ジェロラモ・カルダーノ』が発見して
- 1637年にデカルトが初めて『虚数』という言葉を使って
- 『レオンハルト・オイラー』や『カール・フリードリヒ・ガウス』を経て
- 1843年に『ウィリアム・ローワン・ハミルトン』が四元数に拡張
といった流れがあるそうです。
虚数とは わかりやすく 虚数で回転させてみる
現実世界に存在しない数が『虚数(imaginary number)』なんですが、
具体的にいうと、
2乗して -1 になる数字のことだそうです。
$i^2 = -1$
$i = \pm\sqrt-1$
- 実際に存在する数・・『実数(real number)(リアルナンバー)』
- 想像上の数・・『虚数(imaginary number)(イマジナリーナンバー)』
と区別して、平面に置いてみます。
- 1 に i をかける・・1i になる
- 1iにiをかける・・ i × i で -1 になる
- -1にiをかける・・-i になる
- -iにiをかける・・-i × i で 1 になる
と、ぐるっとまわるように描くことができます。
虚数とは わかりやすく 複素数とは
- 実際に存在する数・・『実数(real number)(リアルナンバー)』
- 想像上の数・・『虚数(imaginary number)(イマジナリーナンバー)』
として、
『実数』+『虚数』の組み合わせを、
『複素数(ふくそすう)』というそうです。
- 『複素数』・・英語で『complex number(コンプレックスナンバー)』
- complex・・日本語だと複合とか混合とか
こちらも『実数』と『虚数』を組み合わせて平面をつくってみると、
『複素数』(3+2i) の場合はこうなります。
虚数とは わかりやすく オイラーの公式
『虚数(imaginary number』を一躍有名にしたのが、
天才数学者『レオンハルト・オイラー』。
『レオンハルト・オイラー』がつくった等式・公式がこちら。
■オイラーの等式
$$e^{i\pi} = -1$$
■オイラーの公式
$$e^{i\pi} = \cos\theta +i\sin\theta$$
- 『虚数 i』
- 『円周率 π』
- 『ネイピア数 e』
の3つの要素がシンプルな形で組み合わさっていて、
『数学史上もっとも素晴らしい公式』という人もいるようです。
物理学者の『リチャード・ファインマン』は、
この公式を評して
「我々の至宝」かつ「すべての数学のなかでもっとも素晴らしい公式」だと述べている。参考:Wikipedia オイラーの公式
証明は、『テイラー展開(マクローリン展開)』を使うのですが、
ちょっと長くなるので他記事を参照いただきたく。
オイラーの公式とは何か?オイラーの等式の求め方の流れを紹介【我々の至宝と評された公式】
『ネイピア数』の参考記事
『ラジアン』の参考記事
『テイラー展開(マクローリン展開)』の参考記事
虚数とは わかりやすく 四元数(クォータニオン)
『3Dプログラミング』をやっていると、
物体を『回転』させる方法として、
『クォータニオン』を使う、なんて事がよく書かれています。
- クォータニオン(英語でQuaternion。日本語で四元数(しげんすう)
よくよくググってみるとどうやら『虚数』を『拡張』した方法だそうで。
と言ったかどうかはさておいて、
角度と3つの虚数を組み合わせることで、
3D空間の姿勢なども制御できるようになるようです。
クォータニオン (Quaternion) を総整理! ~ 三次元物体の回転と姿勢を鮮やかに扱う ~
虚数とは わかりやすくまとめてみて
元々は、『クォータニオン』から先に知って、
少しずつ深掘りして、ようやく記事がかけるようになりました。
『オイラーの公式』などは『物理学』では必須のようで、
まだまだ使いこなせていない感があるので、
何度か繰り返してものにしていきたいところです。
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