高校の数学で突如としてわんさかでてくる記号といえばやっぱり
『シグマ(∑)』。
一般生活ではほとんど使わず、
その存在すらほとんど忘れていたけれど、
『メディアアート』や『機械学習』で改めて目にするようになりググってみると、
事務職ならお馴染みの『エクセル』でわんさか使っていたことを知りまして。
ということで改めて、
『シグマ($$\sum$$)』についてまとめてみることにしました。
シグマ(∑)をわかりやすく 由来
『シグマ($$\sum$$)』は『総和(そうわ) = 合計』という意味で、
英語だと『Summation(サマーション)』になります。
略すと『sum(サム)』。
『エクセル』でいうところの『sum(サム)』関数にあたります。
『Sum』の頭文字『S』のギリシャ語が『シグマ($$\sum$$)』だそうです。
Σ(シグマは、ギリシア文字の一つ。伝統的な配列では 18 番目の文字。ラテンアルファベットの “S”は、この文字に由来する。
Wikipedia
天才数学者『レオンハルト・オイラー』が、
『シグマ($$\sum$$)』を使うことを考案していたそうです。
Σ記号の考案者は、オイラー(Leonard Euler,1707-1783)です。「無限解析序論」の中です。
〜中略〜
オイラーは、多くの表記法を残してくれています。
例えば、円周率π、自然対数の底e、log x 、sin、cos、関数f(x)など。
シグマ(∑)をわかりやすく 考え方
『シグマ($$\sum$$)』は『総和(そうわ) = 合計』という意味で、
『エクセル』でいうところの『sum(サム)』関数にあたるので、
まずは『エクセル』っぽく表にして考えてみます。
出席番号(1〜10)があって、
『数学』のテストの点数があって、
その合計をだしたいとしたらこうなります。
i | 点数 |
---|---|
1 | 62 |
2 | 73 |
3 | 45 |
4 | 52 |
5 | 88 |
6 | 76 |
7 | 91 |
8 | 88 |
9 | 70 |
10 | 87 |
合計 | 732 |
『シグマ($$\sum$$)』で表すとこんな感じ。
$$\displaystyle \sum_{i=1}^{10} X_i$$
- 『シグマ($$\sum$$)』記号の下・・変数(最初の数)
- 『シグマ($$\sum$$)』記号の上・・繰り返しの終わりの数
- 『シグマ($$\sum$$)』記号の右・・繰り返し足し算
繰り返す箇所が不規則で数式にできないので『Xi』としていますが、
『シグマ($$\sum$$)』の下の『変数』(最初の数:今回は出席番号1)から、
『シグマ($$\sum$$)』の上(今回は10)まで、
1つずつ繰り返して足し算するというのがなんとなくわかればOKです。
シグマ(∑)をわかりやすく 規則があるなら
足し算する規則性があれば数式で表せます。
$$\displaystyle \sum_{i=1}^5 i = 1 +2+3+4+5 = 15$$
・・iを1ずつ増やしながら5になるまで足し算。
$$\displaystyle \sum_{i=1}^5 (2i – 1) = (2 \times1 -1 ) + … = 25$$
・・iを1ずつ増やしながら計算式に当てはめて5になるまで足し算
計算式の部分は決まった数でもOKです。
$$\displaystyle \sum_{i=1}^5 2 = 2+2+2+2+2 = 10$$
変数は1からスタート、とは限らないです。
$$\displaystyle \sum_{i=3}^5 i = 3+4+5 = 12$$
シグマ(∑)をわかりやすく 公式
例えば10くらいのデータ量なら全部足し算していくこともできなくもないかも、ですが、
10000など大量にある場合は流石にしんどいので、
先人達が編み出した『公式』を使った方が楽、ということになります。
よく使われる公式を5つ抜粋してみました。
- $$\displaystyle \sum_{k=1}^n a = an$$
- $$\displaystyle \sum_{k=1}^n k = \frac{n(n + 1)}{2}$$
- $$\displaystyle \sum_{k=1}^n k^2 = \frac{n(n + 1)(2n + 1)}{6} $$
- $$\displaystyle \sum_{k=1}^n k^3= (\frac{n(n + 1)}{2})^2$$
- $$\displaystyle \sum_{k=1}^n ar^{k-1} = \frac{a(n^n – 1)}{r – 1}$$
証明は長くなるので他サイトを参照いただければと思います。
総和記号 Σ シグマの計算法と5つの公式。等差数列・等比数列を分かりやすく考えるコツ
計算法則もカンペ的にまとめておきます。
足し算・引き算は項ごとに分けられる
$$\displaystyle \sum_{k=1}^n (a_k + b_k) = \sum_{k=1}^n a_k+ \sum_{k=1}^n b_k$$
定数は前に出せる
$$\displaystyle \sum_{k=1}^n ma_k = m \sum_{k=1}^n a_k$$
シグマを使った数列の和の計算を徹底解説!公式を使いこなそう!
シグマ(∑)をわかりやすく プログラムでいったらfor文
プログラムやってる方ならなんとなく気がついているのではと思うのですが、
『シグマ($$\sum$$)』は決まった数だけ繰り返すので、
『for文』と思ってもらうとすっきりするんじゃないかなと思います。
$$\displaystyle \sum_{i=1}^5 (2i – 1)$$
『プログラム』だとこんな感じになります。
for ($i = 1; $i <= 5; $i++ ){ $sum += 2 * $i - 1; }
シグマ(∑)をわかりやすくまとめてみて
高校時代の数学をすっかり忘れていた身としては、
『シグマ($$\sum$$)』の記号自体に抵抗感があったのですが、
『エクセル』の『sum関数』だよっと言われると、
急に親近感が湧いてきたのでした。
『メディアアート』にしろ『機械学習』や『統計学』にしろ、
やや難しい数学になるともれなく『シグマ($$\sum$$)』が出現してくるので、
とさらりと乗りこなせるくらいの感覚でありたいもんです。
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5個目の公式は等比数列なので必要ないのではないでしょうか
参考サイト見返したりしましたが、シグマを使ったよくつかう公式、というくくりで扱っているので問題ないのかなと思います。